あの夏の雨、
憂鬱に窓の外
・・見つめてた。
大好きなあの人が・・・
行くと言ってた夏祭り。
お祭りで臆病なわたし・・
・・偶然を装って、
バッタリあの人に
会いたいと強く願って・・・
だから、雨・・・止んでほしい。。
雨よ、止んで・・・
彼に、逢わせて・・・
お願い・・・します・・
そう祈りはじめた。
・・声は雨音に
掻き消されて・・・
・・願いは雨水に
流されていくかのよう・・・
祈りの中、玄関のチャイムが鳴った。
「ごめんくださ~い」
「!?」
大好きな声だった。
私の心は・・・
驚きと嬉しさで時間が止まった・・・
雨はわたしの味方だった・・・
雨よ・・・ありがとう・・・
撮影・文:2006.7 Wasabi Chaduke
協力・model:Umeboshi Nazocha
・・暑い夏の日・・
仕事の休憩に、買い物へ。
・・コンビニ前の横断歩道・・
空を歩く標識。
「素敵な遠い空の向こうへ一緒に行こうよ!」
そう僕に語りかけるような標識・・・
「素敵だね。でもまだいけない。まずはここからさ。」
・・・僕は心でそう返事をした。
写真・文:2006.7 Wasabi Chaduke
高2の10月のある日の放課後、
卓球部の練習を終えた僕は、
教室での忘れ物に気づいた。
そして、自分のクラスである「2-B」へ。
教室の手前で、人の気配と、
「カシャァー」
という機械音が鳴っていた。
「カメラ?まさか、カサイさん?」
当時、僕が好きだった女の子。
背がスラリと高く、
颯爽と写真を撮る姿が
印象的で大好きだった。
ドアの開いていた教室に、
そっと邪魔にならないように入ってみる。
忍者の如くシノビアシ。
夢中になって窓の外、
夕日に向かってシャッターを切り続ける彼女。
やっぱりカッコイイ。
凛々しい彼女に見惚れていた。
僕の時間と心は
そのとき凄くスローだった。
「・・!?」
撮り終えた彼女は僕に気づいて、少し驚きの表情。
「ね、ねえ、よかったら一緒に帰らない?」
・・・・僕は思い切った。
・・・・勇気を振り絞って
彼女の笑顔を受け取った・・・
あの時のトキメキを忘れたくない・・・
さあ明日は同窓会だ。
撮影:2004.11 Wasabi Chaduke
文:2006.7 Wasabi Chaduke
この世界には
いくつの鎖が
あるのだろう。
実在している
物質の鎖、
鉄の鎖、
錆びた鎖。
軽い鎖、
プラスティックの鎖。
実在する物質の鎖はたかが知れてるかもしれない。
最も多く、すごく重い。
それは心の鎖たち。
心のしがらみの数々。
自らの心が「抜け出したい!」と叫んでも抜け出せない、
現状を必死に維持しようという潜在意識の鎖。
外部からの抑圧の鎖もあれば・・・
・・嫉妬の鎖もある。
・・・僕も鎖を持っている。
断ち切りたい錆びた鎖を・・・
終わってしまった愛情の鎖は
・・・やがて錆びた鎖になる。
・・・・錆びた鎖はまるで、
過去の思い出から抜け出せない
錆びてしまった自分の心そのもの・・・
この鎖・・・この心・・・
・・・きっと断ち切ってみせよう。
写真:2006.5 Wasabi Chaduke
文:2006.7 Wasabi Chaduke